代表的性病で、コロンブスがアメリカから持ち帰り、はじめにスペインで流行し、ヨーロッパに広がったと言われています。日本語の「梅毒」は、病気の発疹がヤマモモ(楊梅)の果実に似ているところから楊梅瘡(ようばいそう)と言われていたのが「梅毒」と変ったものです。
梅酒の「ウメ」とは関係ありません。
梅毒トレパノーマの感染による病気です。梅毒には、母親が感染していて子宮内で胎児感染してしまう先天性のものと、性行為などで感染する後天性のものがあります。潜伏期間は約3週間で通常は慢性的に経過します。梅毒の場合、症状発症の経過を第1期〜第4期に分けられています。
- 「第1期梅毒」
- 感染して約3週間は症状が出ません。(第1期潜伏期)その後、性器に直径1cm以内の硬いしこりやブツブツが出来、股間のリンパ節が硬く腫れてきます。痛みはありません。
これから深く静かに?潜行しだし、約3ヶ月で第2期潜伏期に入り、この期間に病原体(梅毒トレポネーマ)が全身に広がります。
- 「第2期梅毒」
- 感染から約3ヶ月ぐらいで全身に症状が現れます。小指の先ほどの斑点が全身に出てきます。(梅毒性バラ疹)性器やわきの下に悪臭を放つブツブツ、口の中に出来る粘膜斑点などが出たり消えたりします。ひどいときには不規則な脱毛があります。これらは放っておいても自然に消え、第3期潜伏期に入ります。 この時期が一番感染力が強い!
- 「第3期梅毒」
- 感染から約3年で全身に硬いコブのような結節性梅毒ゴム腫が現れ、放っておいても治りますが、治った後に瘢痕が出来るため外見が醜くなります。これが繰り返されます。
この頃には感染力が弱くなり、感染源となる可能性は少なくなります。これから更に潜伏期間が長く、第4期潜伏期に入ります。
- 「第4期梅毒」
- 感染から10年以上経過すると、最悪な状態に入り、昔言われた「脳梅」で、中枢神経が冒され日常生活が出来なくなり最後は死に至ります。最近ここまで病気が進行する事は稀だと言われています。
|